院長BLOG

チンキャップについて22.08.30

チンキャップは、当初下顎骨の成長抑制を目的に作られました。

しかし、最近の研究では、チンキャップに成長抑制効果は少なく、成長方向を変えると言われています。
成長量に変化は少なく、また成長期に効果があったとして、チンキャップをやめてしまった場合、成長方向が戻ってしまい反対咬合になってしまいます。


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チンキャップは現在、販売されなくなりました。

現在は、上顎前方けん引装置が使われています。これは、反対咬合を、上顎を前方に引っ張ることで上顎の成長を促し、下顎骨の前に上顎を持ってくる方法です。成長した上顎骨は戻ることはありません。

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この装置の問題点は、その使用する患者さんの上顎にそれだけの成長量が残っているかどうかが問題になります。成長量がなければ、上顎は下顎を超えられず、反対咬合も改善されません。また、成長量が残っており、上顎が下顎を超えたとします。しかし、下顎骨の成長は、身長が伸びる時期に成長します。上顎はそれより早く成長が少なくなってしまいます。そのため、下顎を超えた上顎を、再度下顎骨が成長し、上顎を超え反対咬合になってしまうことがあります。
このように、反対咬合は、16歳から18歳の下顎骨の成長が止まるまで油断ができません。

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