院長BLOG

外科的矯正治療(受け口)18.03.16

外科矯正 その1(受け口)
目的
上下顎の位置関係が悪く、そのために歯も悪い傾きになり、噛み合わせも悪くなってしまいます。歯科矯正は、このような症例に対し歯の萌出している土台の顎を改善することはできません。その結果、上下の歯をかみ合わせるために、悪い傾きを入れたり移動したりします。見た目は少し良くできますが、本来あるより良い機能回復は望めません。
この本来あるより良い機能回復を行うため、まず上下顎骨の関係が良くすることにより、歯を正しい位置傾きを付与することができます。その結果、噛む力もよくなり歯も長持ちするようになります
外科矯正治療の流れ
手術は上下顎骨の関係を正しくするものです。歯を動かさないでこの手術を行った場合、まったく噛むことができず、顎の位置も変わってしまう可能性があります。そこで、その手術の際上下の歯が正しくかめるよう手術前矯正を行います。この矯正は手術後に噛めるようにするため、手術前においては徐々に噛めなくなり、その症状を(受け口や出っ歯など)より悪い状態にしてしまいます。しかしそのことが、手術をよりよくすることにつながります。
反対咬合
下顎前突は一般に受け口と言われているものです。原因としては、下顎骨が大きくなったもの、あるいは上顎の成長が悪く結果的に受け口になったもの。その両方によるものがあります。上の前歯は出っ歯のように傾斜し、下の前歯はその上の前歯と噛もうと内側に傾斜しています。奥歯は下顎が前に出ているため上顎の歯が下顎の歯の内側に入ります。前歯でものを噛むことが難しくなります。また奥歯まよく噛めなくなります。しかし、本人はもともとそのかみ合わせなので、不便を感じていません。また、舌も低位舌といわれる本来あるべき位置と異なり、下顎の歯列の中にあります。これは下顎歯列に大きな力が加わり、下顎歯列を拡大する力になります。上顎歯列に対しては、舌の圧力が加わらないので、大きくなりにくくなります。
治療
手術前矯正により、手術後顎の位置が改善された場所で、上下の歯がうまく噛めるように歯の位置を排列いたします。この中には、上下前歯の傾き、上下臼歯の幅の調和等を改善します。その後、手術を行います。手術後さらに術後矯正を行います。この目的は、上下の歯列をさらに良く噛めるようにすることと新たな顎の位置に筋肉が順応することを待つことが必要となります。

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