院長BLOG

外科矯正(上顎前突)18.04.06

外科矯正 その2(上顎前突)
目的
上下顎の位置関係が悪く、そのために歯も悪い傾きになり、噛み合わせも悪くなってしまいます。歯科矯正は、このような症例に対し歯の萌出している土台の顎を改善することはできません。その結果、上下の歯をかみ合わせるために、悪い傾きを入れたり移動したりします。見た目は少し良くできますが、本来あるより良い機能回復は望めません。
この本来あるより良い機能回復を行うため、まず上下顎骨の関係が良くすることにより、歯を正しい位置傾きを付与することができます。その結果、噛む力もよくなり歯も長持ちするようになります
外科矯正治療の流れ
手術は上下顎骨の関係を正しくするものです。歯を動かさないでこの手術を行った場合、まったく噛むことができず、顎の位置も変わってしまう可能性があります。そこで、その手術の際上下の歯が正しくかめるよう手術前矯正を行います。この矯正は手術後に噛めるようにするため、手術前においては徐々に噛めなくなり、その症状を(受け口や出っ歯など)より悪い状態にしてしまいます。しかしそのことが、手術をよりよくすることにつながります。
上顎前突
上顎前突は、一般的に出っ歯と言われているものです。原因としては、上顎が大きいもの、下顎が小さいもの、その両方によるものがあります。上顎前突の多くは、歯科矯正のみで治療することが可能です。その理由の一つは、上顎骨は後方につながっており、上顎前歯をある程度後方に後退させることが可能だからです。
それではどのようなケースを手術することになるでしょうか?上顎前歯の根尖部での後方移動量が10mmを超える場合、下顎骨の成長が悪く永久歯がその下顎に並びきらずガタガタになってしまい、顔貌に大きく影響している場合などが考えられます。
治療
上顎、下顎それぞれに無理なく歯を並べます。その際必要であれば永久歯の抜歯を行う場合があります。また、並べられた上下歯列が手術後安定した咬合が作られていることが必要です。その後手術を行います。最も多い手術は、下顎の前方への移動手術を行います。
上顎骨全体の後方移動は数ミリ程度しかできません。そのため、一般的には下顎のみで行うことが多いです。手術後再度より良く噛めるように矯正を行います。

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